こんにちは。Webライターの森です。
多読レコードは、英語の多読にハマっている筆者が節目節目にデータや感想をまとめるコーナーです。
このたび、めでたく多読「500万語」を達成しました。
この記事では、過去半年の読書データ(語数や読んだ本など)や、多読を続けていて気づいた学習効果などについてまとめていきます。
「多読をコツコツ継続している人」や「多読の長期的な効果を知りたい人」などの参考や励みになれば幸いです。
注意:この記事は「多読中級者向け」になると思われます。シリーズ化しているので、これから多読をやってみたい!という人は「多読レコード1」をさきに読むのがオススメです。
→【多読レコード1】100万語達成!
「500万語」までの語数データ
まずは、語数についてまとめていきます。
日別データ
はじめに、語数の全体像がわかる日別のデータです。下図をご覧ください。
累積語数が「500万語」を超えたのは6月28日。右軸の最小値が「350万」なのは、去年の累積語数が351万8620語だったためです。
そしてこの半年で読んだ語数の合計は149万7564語でした。これまでと同様、まったく英語を読まない日はなかったです。
最多記録は6月24日の31,728語。一日で3万語以上を読んだのは歴代でも最多になります。
全体的傾向としては、細かい波がありつつも順調に量を積み上げることができました。累積語数(赤い折れ線)が右肩上がりになっていることからもわかりますね。
月別データ
続いて、月別の語数データをまとめていきます。
語数の合計は次のとおりです。
全体の平均は24万9594語(図の赤い点線)で、最多は6月の37万9094語でした。これは歴代2位の記録です。
6月は「500万語」が目前に迫っていたので、それを目標にして気合いを入れました。6月初めのツイートを見てみると、その熱意がにじんでいます。
次に、一日平均語数のデータを示します。
全体の平均は8,314語(図の赤い点線)で、最多は6月の12,636語でした。
これも歴代2位の記録で、紛れもない「500万語目前」効果です。
最後に、一読書あたりの語数の平均を下図に示します。これは「一回の読書でどれくらいの量を読んでいるか」という指標です。
全体の平均は2,611語(図の赤い点線)で、最多は3月の3,342語でした。
5月からは英語のニュース記事を読むようになり、一回の読書が数百語で終わることが増えました。とくに6月はスキマ時間もフル活用していたので一読書あたりの平均はガクッと下がっていますね。
ちなみに、最近よく利用しているニュースサイトは「DOGO news」です。このサイトは各記事に語数が明記されており、多読量の底上げを地味にサポートしてくれます。
以上、2023年上半期の語数データでした。
読んだ本について
ここからは、読んだ本についてまとめていきます。
読了本一覧
結論、半年で18冊(再読本を含む)を読み終えることができました。
下表は、読了本の基本情報をまとめたものです(タイトルクリックでAmazon、画像クリックで楽天の商品ページに飛べます。基本、洋書はAmazonの方が品揃えがいいです)
タイトル*(Amazonリンク)& 著者 | 表紙画像(楽天リンク) | 総語数** |
---|---|---|
01. A Technique for Producing Ideas(再) James Webb Young | 006,020 語 | |
02. Thinking, Fast and Slow(再) Daniel Kahneman | 168,790 語 | |
03. The Artist’s Way(リベンジ) Julia Cameron | 074,970 語 | |
04. You’re Not Listening Kate Murphy | 060,270 語 | |
05. Social Psychology Paul Seager | 064,090 語 | |
06. Merriam-Webster’s Vocabulary Builder Mary W. Cornog | 141,110 語 | |
07. Atomic Habits James Clear | 042,120 語 | |
08. Sophie’s World Jostein Gaarder | 163,090 語 | |
09. I Am Malala Malala Yousafzai & Christina Lamb | 083,660 語 | |
10. The Culture Map Erin Meyer | 063,360 語 | |
11. The Little Book of Ikigai Ken Mogi | 030,230 語 | |
12. The Alchemist Paulo Coelho | 042,890 語 | |
13. Sapiens Yuval Noah Harari | 130,120 語 | |
14. Homo Deus Yuval Noah Harari | 136,120 語 | |
15. 21 Lessons for the 21 Century Yuval Noah Harari | 108,240 語 | |
16. Give and Take(再) Adam Grant | 095,620 語 | |
17. The Mountain Is You Brianna Wiest | ※要約版↑ | 047,020 語 |
18. Leonardo da Vinci A Mind on the Move(再) Miguel Rivas-Micoud | 012,300 語 |
sp** 森くんの概算。
これまでは「心理学系のノンフィンクション」ばかり読んでいましたが、ここ半年はジャンルに多様性が生まれました。
とくに『Sapiens』に始まる Yuval Noah Harari の三部作(人類の歴史から未来までがつづられた長編3冊)を読破できたのは感慨深かったです。
また、かつて挫折した『The Artist’s Way』を読み終えることもできました。相変わらず高い語彙レベルに苦戦しましたが、なんやかんやリベンジを果たせて嬉しかったです。
さらに、過去に読み終えた本を再読したり英語でボキャビルを試みたり、遊び心ある多読もできた気がします。
量もさることながら、質的にも充実した半年間でした。
時期と日数
続いて、それぞれの本を読んでいた時期と日数についてです。
まとめると、下図のようになります。
基本的に「一冊集中」でテンポよく読み進めることができました(ボキャビル本のみ併読)。これまでとは違って1冊の本で数ヶ月も停滞することはなかったです。
ほぼ「2週間に1冊」のペースで読めているのは返却期限2週間の図書館本でリズムを作れたからだと思います。
前回も書きましたが、近くに図書館がある人は積極的に活用するのがベストです。かなり多読がはかどりますよ!
多読「500万語」の学習効果
ここからは、多読「500万語」を達成して気づいた学習効果についてまとめます。
簡潔に述べると、次の3点です。
- 読めば読むほど読みやすい!
- 理解度を高める再読が熱い!
- 英語でボキャビルはムズい!
以下、それぞれについて詳しく書いていきます。
読めば読むほど読みやすい!
1つ目は、英文を読むスピード感についてです。
ここ数ヶ月はとくに「本の後半部分ほどスイスイ読める」ということが多くありました。
読んでいるうちにその本で使われがちな表現に慣れ、単語の認識力が上がったり目の動きにリズムが生まれたりするようなイメージです。
たとえば「climate change mitigation strategies」のような3語以上の複合語もサラッと名詞としてとらえることができ、読んでいて気分爽快でした。
その本に特有の書きぶり(単語遣いや文体など)への適応が早まれば「読めば読むほど読みやすい“ゾーン”」に入りやすくなるのかもしれません。
このような体験を積み重ねつつ、今後もスピーディーな多読を継続していきたいです。
理解度を高める再読が熱い!
2つ目の気づきは理解度についてです。
今年からぼちぼち「再読」を始め、一冊の理解度を深める多読にもトライしました。
以下の4冊が今年の再読本です。
- A Technique for Producing Ideas
1年ぶり - Thinking, Fast and Slow
2年ぶり - Give and Take
1年半ぶり - Leonardo da Vinci A Mind on the Move
2年半ぶり
基本、どの本も内容理解の精度が1回目よりアップした実感があります。
なかでも『Give and Take』は1回目に注目したテーマとは異なる部分をよく吸収できました。読み終えた当時のXのポストがこちらです。
一方『Thinking, Fast and Slow』については、数字を巧みに扱う文章がやや消化不良でした。おおむね満足できましたが、その点だけは今後の課題になりそうです。
とはいえ、全体的に内容を楽しめる再読ができたのでよかったと思います。
また、今回は「1年以上を経ての再読」しか行わなかったので、これからは記憶がフレッシュなうちに2周目3周目の再読をしていきたいです。
英語でボキャビルはムズい!
最後は、ボキャビル(語彙の増強)についてです。
今年は新たな試みとして「英語でボキャビル」にチャレンジしてみました。
ネイティブ用のボキャビル本で語彙力をアップさせよう!というチャレンジです。
相棒は『Merriam-Webster’s Vocabulary Builder』。
洋書専門店「Books Kinokuniya Tokyo」で最後の1冊を入手しました(この間また行ったら4冊並んでいました)。
この本では、1章あたり40語、合計1,200語(30章分)の単語が紹介されており、それぞれ語源ベースの解説がなされています。
発音記号や例文はもちろん、ユーモアに富んだ解説文も大きな売りの1冊です。
加えて、適度にクイズコーナーが設置されており、英語で単語テストをすることもできます。
そんな『Merriam-Webster』ですが、実際に取り組んでいるうちは楽しく快調でした。解説文が面白いので知らない単語が多いわりに飽きずに進められます。
とはいえ1周こなしただけで定着するほど単語は甘くありません。
下表はクイズコーナーの結果です。学習直後、その翌日、さらにその1ヶ月後にテストした結果をまとめています。
1ヶ月後でも4割くらい覚えているように見えますが、初見の単語に絞ってみると習得率は1割ほどでした(表の赤字部分参照)。
全体の平均 | 1 章 | 2 章 | 3 章 | 4 章 | 5 章 | 6 章 | 7 章 | 8 章 | 9 章 | 10 章 | 11 章 | 12 章 | 13 章 | 14 章 | 15 章 | 16 章 | 17 章 | 18 章 | 19 章 | 20 章 | 21 章 | 22 章 | 23 章 | 24 章 | 25 章 | 26 章 | 27 章 | 28 章 | 29 章 | 30 章 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
学習直後の正答率 | 90.3% | 88.8% | 88.8% | 90.0% | 81.3% | 86.3% | 83.8% | 87.5% | 93.8% | 87.5% | 95.0% | 83.8% | 85.0% | 91.3% | 93.8% | 95.0% | 93.8% | 90.0% | 92.5% | 93.8% | 87.5% | 91.3% | 88.8% | 92.5% | 87.5% | 90.0% | 100.0% | 96.3% | 87.5% | 90.0% | 96.3% |
その翌日の正答率 | 89.7% | 80.6% | 93.3% | 78.9% | 96.4% | 80.0% | 88.5% | 95.9% | 90.0% | 96.7% | 84.2% | 91.9% | 91.7% | 85.7% | 90.6% | 94.0% | 88.6% | 80.0% | 87.5% | 91.4% | 95.0% | 92.5% | 82.5% | 94.7% | 72.5% | 92.5% | 100.0% | 93.3% | 93.3% | 96.7% | 93.3% |
1ヶ月後の正答率 | 41.8% | 32.5% | 30.0% | 35.0% | 37.5% | 37.5% | 35.0% | 42.5% | 40.0% | 37.5% | 50.0% | 52.5% | 40.0% | 45.0% | 30.0% | 57.5% | 55.0% | 32.5% | 50.0% | 40.0% | 37.5% | 42.5% | 37.5% | 55.0% | 32.5% | 50.0% | 50.0% | 32.5% | 57.5% | 37.5% | 42.5% |
初見単語の習得率 | 13.4% | 6.9% | 4.3% | 10.3% | 13.8% | 7.4% | 3.7% | 14.3% | 14.3% | 3.8% | 25.9% | 17.9% | 11.1% | 3.8% | 9.7% | 22.7% | 18.2% | 3.6% | 20.0% | 17.2% | 13.8% | 11.5% | 13.8% | 14.3% | 3.6% | 9.1% | 25.9% | 15.6% | 26.1% | 19.4% | 20.7% |
多読の一環で新しい単語を一時的に覚えることはできても、やはり長期的な定着は難しいようです。
ただ、この本で新しく覚えた単語はその後に読んだ洋書にもよく出てきました。とても有用な気がするので、今後はシンプルに再読を重ねてみようかと思います。
以上、多読「500万語」までに実感した学習効果の話でした。
「多読レコード5」まとめ
「500万語」突破記念の「多読レコード5」。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
内容をまとめると、1冊に対しての適応力が高まり、再読によって理解度アップの兆しが見え、英語でのボキャビルに打ちのめされ、なんやかんや「500万語」の大台に到達!という感じですね。
いろいろと新しい挑戦や発見ができ、実りの多い半年だったと思います。これらの気づきを生かしながら今後も黙々と多読を続けていく所存です。
また、翻訳書との併読を取り入れ、より深い内容理解を追求できたらとも考えています。次回の『多読レコード』では、その成果報告が目玉になることでしょう。
なお『多読レコード』は半年に1本のペースでシリーズ化しています。データや気づきの「長期的な変化」が気になる人や、ともに多読を続けていきたい人などのお役に立てたら幸いです。
→『多読レコード』シリーズ
それでは、今回はこの辺で。
That’s all for today.
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