TOEICスコア700点台で伸び悩んでいる。どうにか900点以上が欲しい!
リーディング問題をすべて解き終える速読力をつけたい!
多読に挑戦したいけどTOEICに効果ある?やってみた人の実体験が知りたい!
本記事では、このような疑問や要望をサポートします。
TOEICで700点台を取れる人の悩みとして、
リーディング問題、時間が足りない!
は大定番ですよね。
TOEICで突き抜ける要因としてリーディング問題を時間内に終える速読力は極めて重要です。
それなりの基礎力がある人でも、頭打ちのスコアに嫌気が差したり勉強がマンネリ化したり、もやもやしたままスコアが停滞することもあるでしょう。勉強しているのに成果が表れないのは非常にもどかしいものです。
この記事では、そんな悩めるTOEIC中級者へ向けて、TOEICに特化した学習とは異なるアプローチでリーディング力を向上させる習慣、ズバリ「多読」について体験談を語ろうと思います。
書き手の私はTOEIC対策を続けながら多読を習慣化し、わずか3ヶ月で750点から935点へと一気にスコアアップしました(多読自体は2ヶ月やりました)。
結論から言うと、本番までに約30万語の英語を読みました。
もちろんTOEICに特化した対策が何より大切でしょうが、多読にはその効果を確固たるものにするポテンシャルがあります。
TOEIC対策と並行して、ぜひとも多読を習慣化してドカンとハイスコアを叩き出してください。
TOEIC対策「多読」のススメ
事前情報として、私のTOEIC対策期間は「3ヶ月」でした。大きくは次の2期に分けられます。
- 基礎の再トレーニング:1ヶ月
- 演習+シャドーイング:2ヶ月
「基礎の再トレーニング」は文法と単語の再学習です。
「演習+シャドーイング」は公式問題集を解いてシャドーイングを繰り返すというトレーニング段階で、多読を始めたのはこの頃です。
私は文法と単語をおさらいしてから多読を始めましたが、700点レベルの人は基礎力に大きな問題はないので「多読はいつから始めてもOK」でしょう。
経験則ですが、目標は30万語がオススメです。
ここでは、本番までの多読体験を振り返りつつTOEICに効きそうなポイントをまとめていきます。
とくに重要なのは次の3点です。
- やさしい教材から気楽に始める
- 慣れたら一日の読書量を増やす
- 一般向けの洋書にもチャレンジ
以下、それぞれについて詳しく解説していきます。
やさしい教材から始める
多読の習慣化でとくに重要なのは「やさしい本から始めること」です。
最初から一般向けの洋書(ペーパーバックなど)にチャレンジすると挫折するリスクが高まります。
私はラダーシリーズという英語学習者向けの教材から多読をスタートさせました。
この手の本は1冊あたりの語数が少なく、読み終えるハードルが低いのでオススメです。また、章立てが細かいのでちょっとした時間にコツコツ読み進めることもできます。
ジャンル選びは基本的に自由です。ただ、あえてTOEICを見据えたアドバイスをするなら「バイオグラフィー(伝記)」を攻めるのがよいと思います。
バイオグラフィーは「場面がそこそこ日常的」で「文章が論理的」です。おそらく小説よりはTOEICとの相性が良いでしょう。
ちなみにラダーシリーズには5つのレベル(語彙レベル)がありますが、これはそこまで気にしなくて大丈夫です。体感として読みやすさに大きな違いはなかったので、興味のある本から手に取ってみてください。
参考として、私が読んだラダーシリーズの一覧を下表に示します(タイトルクリックでAmazon、画像クリックで楽天の商品ページに飛べます。基本、洋書はAmazonの方が品揃えがいいです)。
タイトル*(Amazonリンク)& 著者 | 画像(楽天リンク) | 総語数** |
---|---|---|
01. レオナルド・ダ・ヴィンチ(L4) ミゲール・リーヴァスミクー | 12,300 語 | |
02. 旧約聖書と新約聖書の世界(L4) ニーナ・ウェグナー | 13,670 語 | |
03. スティーブ・ジョブズ・ストーリー(L4) トム・クリスティアン | 10,670 語 | |
04. ビートルズ・ストーリー(L4) ジェイク・ロナルドソン | 14,940 語 | |
05. ガンジー・ストーリー(L1) ジェイク・ロナルドソン | 08,190 語 | |
06. アインシュタイン・ストーリー(L1) ジェイク・ロナルドソン | 09,480 語 | |
07. ザッカーバーグ・ストーリー(L5) トム・クリスティアン | 10,630 語 | |
08. 地球の歴史(L5) 西海 コエン | 13,040 語 | |
09. ビル・ゲイツ・ストーリー(L5) トム・クリスティアン | 13,400 語 |
ちなみに「やさしさ」という観点でのイチオシは『旧約聖書と新約聖書の世界』です。レベルは4ですが、多読開始当初の時点で驚くほどスムーズに読めました。
読む語数を増やしていく
続いては「読む量」についてです。
私の多読量は、TOEIC本番1ヶ月前から増えていきました。メインでやっていた『公式問題集』のシャドーイングに慣れて余裕が生まれたタイミングでした。
下図は私の多読語数のグラフになります。
序盤は1日に1000〜2000語を読んでいましたが、本番1ヶ月前からはその数倍の量になりました。直前期は復習中心の負担の小さい勉強スタイルになり、多読量は大幅にアップしました。
私の場合、自身の勉強スタイルとの兼ね合いで自然と多読量が増えていった感じです。ただ、直前期は「もうすぐキリのいい30万語だから」というやや義務的な理由で読んでいました。
このような根性頼みは少しリスキーなので、計画的に緩やかに読む量を増やしていくのがスマートでしょう。
結論としては、「30万語という最終目標」と「本番までの日数」から逆算して戦略的に読んでいくのがベストですね。
ちなみに語数の数え方については以下の記事でまとめています。よかったら参考にしてください。
一般的な洋書にもトライ
多読に慣れてくると、ラダーシリーズはすぐに読み終わってしまいます。
ここで問題になるのが「ラダーシリーズは短くて読みやすい一方、値段が1000円ほどなのでコスパはイマイチ」という点です。
そこで、多読に慣れてきたら一般向けのペーパーバック(や電子書籍)にトライすることを強くオススメします。
私は「洋書オススメ」などで検索して興味が湧いた本を読んでみました。
本番までに読み終わったのは『Factfulness』というペーパーバックの本です。また、本番5日前に『Thinking, Fast and Slow』も読み始めましたが、こちらは試験後まで持ち越しになりました。
一般向けの洋書を読むメリットは次の2点です。
- たくさんの英語を安価で読める
- 本番の高地トレーニングになる
たとえばペーパーバックは1000〜2000円の価格帯で、語数はラダーシリーズの5倍以上になります。やさしい本の多読に慣れたら、こちらに切り替えてコスパアップを図るのがよいでしょう。
ネットニュースなどの無料コンテンツも有用ですが、人間の心理傾向として「多少お金をかけた方が継続にはプラス」です。
ちなみに電子書籍はペーパーバックより安い場合がほとんどで、紙だと数千円する本が数百円で読めたりします。紙の本にこだわりがない人には嬉しいサービスですね。
これらの一般向けの洋書にチャレンジすると、試験用にコントロールされた英文を読むハードルは格段に低くなります。
ほどよい高地トレーニングになるのも、見逃せない効能ですよ。
最後に「TOEICとの相性の良さ」という観点でイチオシの『Cuture Map』という本を紹介しておきます。当時は未読でしたが、のちに読んで「これTOEICにピッタリだなぁ」と思った1冊です。
英文は標準的で、ビジネスで直面する「文化の違い」にまつわるエピソードがたくさん盛り込まれています。とても面白く、かつTOEIC的でした。
追記:「これは読みやすい!」と自信を持ってオススメできる洋書5冊の紹介記事も書きました。何を読んだらいいか迷っている人にピッタリな内容です。ぜひ参考にしてみてください。
以上、TOEIC対策を踏まえた「多読」のポイントでした。
TOEIC対策「多読」の注意点
ここからは、上記以外の注意すべきポイントを2点まとめます。
ズバリ「併読」と「読む速さ」についてです。
併読するかは自由
私は多読を始めた当初から「併読(複数の本を同時に読み進めること)」をしていました。
下図はそれぞれの本を読んでいた時期と日数をまとめたものです。基本的にいつも2、3冊を併読していました。
併読の一番のメリットは「多読に飽きにくい」という点です。
1冊だけを読む場合、その1冊にハマれなかったときに多読自体をやめてしまうリスクが高まります。しかし併読だと常に別の本が控えているわけなので、ある種の保険になります。
また、併読をしていると実際に読んでみてハズレっぽい本さえ読みきれたりします。
たとえば上図の『地球の歴史』は、かなり序盤で読むのが面倒になりました(専門用語が多かったため)。それでも、他の本をメインにしながら寝る前に少しずつ読んでいき、気づいたら最後のページまで到達していました。
一方、併読のデメリットには「1冊を読み終えるのが遅くなる」という点が挙げられます。
とくに開始直後は「1冊を読みきる成功体験」が今後の継続力に影響を与えることでしょう。それを踏まえると、序盤は1冊ずつ手堅く読んで達成感を味わうのも大事です。
結局のところ自分自身の継続力や好みの問題になります(個人的にはメリットの方が大きかったので併読を推します)。上記の良し悪しを参考に、自分に合ったスタイルを選んでみてください。
速さは気にしない
2つ目の注意点は「読む速さ」についてです。
速読力を上げるという目標こそありますが、それについてはTOEICに特化した学習の方でも訓練することになります。
なのでメインのトレーニングはTOEIC対策に任せて、まずは「習慣的に英語を読む」という一点のみに集中してください。
つまりは、趣味として楽しみながら読むのがベストです。
とくに意識しなくても、多読を続けていると平易な文章であればスラスラ理解できるようになります。そしてそれは確実にTOEICの読解速度アップにもつながります。「勉強である」という意識は抹消しましょう。
それでも「できるだけ日頃からスピーディーに読みたい!」という人のためにコツを挙げると「口をパクパクさせないこと」が意外と大事です。
音読より黙読の方が速いので、口を閉じるだけでも読むスピードは上がります。初見の英文をサクサク読む練習として念頭に置いておくとよいですよ。
TOEIC対策「多読」のまとめ
以上、TOEIC対策と並行した多読のポイントでした。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
記事の内容を簡単にまとめると、次のようになります。
・多読スタートはやさしい本から!
・慣れたら1日に読む量を増やす!
・一般向けの洋書にもチャレンジ!
・併読は一長一短なのでお好みで!
・速く読むよりも楽しく読むべし!
もちろん多読をするだけでリーディング問題を完答できるほどTOEICは甘くありません。
それでもTOEICに特化した学習との相乗効果は大いに期待できます。
なんとなくTOEIC対策がマンネリ化しているという人は、ぜひ多読で新しい風を吹かせてみてはいかがでしょうか。
なお、ときおり言及している「TOEICに特化した勉強」については以下の記事をご参照ください。私が900点オーバーに至るまでに実践したすべてが詰まっています。
それから「TOEICとは関係なく多読を長く続けていきたい」という人には以下の記事もオススメです。この記事と内容が一部カブりますが、実体験に基づく習慣化のエッセンスがまとまっています。
それでは。ファイト!
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