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3年で530万語に到達!英語多読のデータと感想【多読レコード6】

タイトル『多読レコード6』 リーディング

 こんにちは。Webライターの森です。

 多読レコードは、英語の多読を続けている筆者が節目節目にデータや感想をまとめるコーナーです。

 このたび、めでたく多読3周年(合計530万語)に到達しました!

 この記事では、過去1年間の多読データ(語数の記録、読んだ本など)や、多読をやっていて気づいた学習効果などについてまとめていきます。

 なお、今回のスタート地点は約350万語なので「多読中級者向け」の内容です。

「これから多読を楽しみたい!」という方には、1年目のデータをまとめた「多読レコード2」の方が参考になるかもしれません。

 以上を踏まえ、2023年の多読を振り返っていきたいと思います。

2023年の多読語数

 まずは、語数についてです。

日別データ

 はじめに、全体像がわかる日別データをグラフで示します。

【多読レコード6】多読語数の日別グラフ

 とくに8月〜10月は「微読」状態でしたが、なんとか毎日欠かさず英語を読み続けました。

 この1年で読んだ総語数は178万1413語。わずかの差で前年の記録(179万1727語)を下回りました。

 ただ、今年の最多記録は6月24日の31,728語で、こちらは歴代でも最多です。

 累積語数については、2月26日に400万語、5月11日に450万語、6月28日に500万語を突破しました。

 12月31日時点では、累計5,300,033語となっています。

 ちなみに「時期による語数の変動」の原因は、次のような感じです。

【多読レコード6】多読語数の日別グラフ(コメント付き)

 上半期は「500万語」の大台が見えてきてやる気に満ちていたので、かなり快調でした。

 一方、下半期は「500万語」に到達して燃え尽きてしまい、3ヶ月ほど「DOGO News」を毎日1記事だけ読む日々が続いていました。ちょっとした倦怠期です。

 11月に入ってからは翻訳書と原書を同時並行で読んでいく「和洋併読」を本格的にスタートさせました。新しい風を吹かせたことで多読のペースが回復している昨今です。

 まとめると、500万語をクリアして一時的に燃え尽きたものの、ニュース英語でなんとか読みつなぎ、多読の新しいスタイル「和洋併読」を確立した1年だったといえます。

月別データ

 続いて、月別のデータです。

 まずは、語数の合計をグラフで示します。

【多読レコード6】多読語数の月別合計グラフ

 全体の平均は14万8451語(図の赤い点線)で、最多は6月の37万9094語でした。

 次に、一日平均語数のデータです。下図をご覧ください。

【多読レコード6】多読語数の月別平均グラフ

 全体の平均は4,925語(図の赤い点線)で、最多は再びの6月(12,636語でした。

 最後に、一読書あたりの平均語数を下図に示します。これは「一回の読書でどれくらいの量を読んだか」を表す指標です。

【多読レコード6】一読書あたりの平均語数グラフ(月別)

 全体の平均は1,862語(図の赤い点線)で、最多は3月の3,342語でした。

 この指標は短いニュース英語を読むとガクンと下がるので、いよいよ算出する意味がなくなってきた気がしています。次回からは廃止するかもしれません。


 以上、多読語数のデータでした。

読んだ洋書のまとめ

 ここからは読んだ本についてまとめます。

読了本一覧

 結論、1年で20冊の本を読み終えることができました。

 下表は、読み終わった洋書の基本情報をまとめたものです(タイトルクリックでAmazon、画像クリックで楽天の商品ページに飛べます。基本、洋書はAmazonの方が品揃えがいいです)。

タイトル*(Amazonリンク)& 著者 表紙画像(楽天リンク)   総語数**  
01. A Technique for Producing Ideas(再)
  James Webb Young
006,020 語
02. Thinking, Fast and Slow(再)
  Daniel Kahneman
168,790 語
03. The Artist’s Way
  Julia Cameron
074,970 語
04. You’re Not Listening
  Kate Murphy
060,270 語
05. Social Psychology
  Paul Seager
064,090 語
06. Merriam-Webster’s Vocabulary Builder
  Mary W. Cornog
141,110 語
07. Atomic Habits
  James Clear
042,120 語
08. Sophie’s World
  Jostein Gaarder
163,090 語
09. I Am Malala
  Malala Yousafzai & Christina Lamb
083,660 語
10. The Culture Map
  Erin Meyer
063,360 語
11. The Little Book of Ikigai
  Ken Mogi
030,230 語
12. The Alchemist
  Paulo Coelho
042,890 語
13. Sapiens
  Yuval Noah Harari
130,120 語
14. Homo Deus
  Yuval Noah Harari
136,120 語
15. 21 Lessons for the 21 Century
  Yuval Noah Harari
108,240 語
16. Give and Take(再)
  Adam Grant
095,620 語
17. The Mountain Is You
  Brianna Wiest

※要約版↑
047,020 語
18. Leonardo da Vinci A Mind on the Move(再)
  Miguel Rivas-Micoud
012,300 語
19. Sapiens(再&併)
  Yuval Noah Harari
130,120 語
20. The Midnight Library(再&併)
  Matt Haig
061,100 語
sp** 読み始めた順。
sp** 森くんの概算。

 ジャンルでいうと、相変わらずノンフィクションが多めでした。

 ただ、今年はぼちぼち小説にもトライするようになり、表にある『Sophie’s World』や『The Alchemist』、『The Midnight Library』は小説にあたります。

 また、最近はかつて読んだ本を再読することも増えています。たんに読み返すだけでなく、先述の和洋併読を実践したのがラスト2冊の『Sapiens』と『The Midnight Library』です。

 この併読スタイルについてはのちに詳しく述べますが、かなり効果を感じているのでしばらくは小説の和洋併読を続けていこうと思います。

時期と日数

 続いて、上記20冊(とニュース英語)を読んでいた「時期と日数」のまとめです。

【多読レコード6】読んだ本と期間の図解

 表からわかるとおり、一冊ずつ集中的に読んでいくのが現在の基本スタイルです。

 下半期は『Sapiens』の和洋併読をスタートさせましたが、“500万語バーンアウト”で「DOGO News」オンリーの日々が続いてしまいました。

 とはいえ11月からは和洋併読が軌道に乗り、最近では翻訳書を読みながらでもコンスタントに多読を継続できようになっています。なんとなくひと皮むけた感じです。


 以上、読んだ本についてでした。

多読「3年目」の気づき

 最後に、この1年の多読をとおして気づいたことをまとめます。

 ポイントは、次の2点です。

  • スピードは停滞、理解度は微増
  • 和洋併読で深い読書ができそう

 以下、それぞれについて詳しく解説していきますね。

スピードと理解度の変化

 まずは気になる「スピードと理解度」の話です。

 結論、どちらについても劇的な変化や成長は感じられませんでした。

 去年とは異なり、とくに速く読めるようになったという感覚はほとんどなく、内容をしっかりインプットできるようになったという実感も薄いです。

 例によって『10 Days to Faster Reading』を使ってスピードと理解度の測定もしてみましたが、結果は昨年とあまり変わりませんでした。

 2021年3月  2022年1月  2023年1月  2024年1月  前年比  全体的成長 
 スピード105 wpm128 wpm140 wpm142 wpm+2+37
理解度63%90%80%85%+5+22
2021年3月のみ、9つのテストの平均値。
2022年1月以降は3つのテストの平均値。

 ただ、理解度は微増しているのでまったく成長していないわけではなさそうです。いわゆる「プラトー(学習効果の平板化)」のような状態で、テコ入れが必要な局面なのかもしれません。

 あるいは燃え尽きていた時期がマイナスにはたらいて、全体的な成長がプラマイゼロになっている可能性も考えられます。

 いずれにせよ、そんな停滞の雰囲気を悟って新しい試み「和洋併読」を11月ごろから本格化してみました。

和洋併読の面白さと効果

 繰り返しになりますが、和洋併読は翻訳書と原書を同時並行で読んでいくというものです(“和洋併読”は筆者の造語です)。

 基本的に「翻訳書を読んで原書の同じところを読む」というのを1章ずつ積み重ねていきます。

 ややコストがかかる読み方ですが、これがとても面白く、かつ効果的だと感じました。ここではその面白さや学習効果の体感をまとめたいと思います。

 ズバリ、重要なポイントは次の3点です。

  1. 内容に置いていかれない
  2. 辞書なしで単語力アップ
  3. 文章の緩急までつかめる

 以下、それぞれについて詳しく解説していきます。

1.内容に置いていかれない

 和洋併読で一番ありがたいのは「内容に置いていかれることがない」という点です。

 日本語で一読してから英文を読むわけなので、母語で理解できる内容であれば漫然と字面を追う事態にはなりません。

 とくに小説ではこの効果が絶大でした。

 たとえば『The Alchemist』という小説を読んだときは「いま主人公はどこを歩いているのか」や「誰と話しているのか」など、基本的なところで頭がこんがらがることが多かったです。原書だけを読んでいるとこのような事態によく見舞われます。

 一方、和洋併読をした『The Midnight Library』では、あらかじめ情景が豊かにイメージされた状態で原書にあたることができ、余計な混乱がなくなりました。

 内容がスッと入ることで無駄なストレスがなくなると、頭の中でプラスアルファの処理をする余裕も生まれます。

 以降の2つのポイントは、そんなプラスアルファの効能についてです。

2.辞書なしで単語力アップ

 和洋併読をすると「辞書いらずの単語力アップ」が期待できます。爆発的な効果ではありませんが、かなり有益です。

 まず、だいたいの内容が頭に入ったうえで英文を読むので、知らない単語でも意味をとりやすくなります。初見の単語の意味がわかるというのはとても面白い体験でした。

 一般的に多読では「辞書を引かない」のが鉄則です。とにかくたくさん読むのが最優先になります。

 とはいえ、よくわからない単語が頻繁に出てきたり具体的な道具名や生物名がわからなかったりすると、読書のペースは大きく崩れてしまうでしょう。

 しかし翻訳書をあらかじめ読んでいれば、単語力不足によるペースの乱れはほとんど起きません

 さらに、ある程度できあがったイメージに初見の単語が結びつくわけなので、その単語は記憶にもよく定着します。

 筆者の例だと「banknote(紙幣)」や「barley(大麦)」、「walrus(セイウチ)」など、単語帳ではなかなか見かけない単語を辞書なしで吸収することができました。

 もちろん、習得できる単語の多くはその本に特化したものなので、和洋併読で劇的に語彙力がアップするというわけではありません。

 ここでの「単語力アップ」はあくまで「プラスアルファの単語力アップ」であるという点だけは強調しておきます。

3.文章の緩急までつかめる

 和洋併読の3つ目の面白さとして「文章の緩急をつかめる」という点が挙げられます。

 淡々と事実を述べたあとに小粋なジョークが添えられたり、ありふれた会話のなかで格言のようなキラーフレーズが出てきたり…。

 ノンフィクションにしろ小説にしろ、得てして文章には「緩急」がありますよね。

 このような緩急をキャッチできたら、英語を読むのはいっそう楽しくなります。

 ただ、原書だけを読んでいると、英文の処理に頭を使いすぎて緩急が見出せないことも多いです。すべての文章を場当たり的に処理していく感じなので、含みを楽しむ余裕はあまりありません。

 一方、和洋併読では、あらかじめ翻訳書のほうで文章の緩急をキャッチすることが可能です。それによってある種の心構えができ、原文の温度感の変化をしっかり認識できます。

 ついでに、心に残る表現に出会えるのも緩急ある読書のメリットです。

 最後の締めとして、『The Midnight Library』のなかでとくに印象に残ったフレーズを引用しておきます。

Maybe you have a lack problem rather than a want problem.
あなたの問題は、“望み”の方にではなく“欠落”の方にあるのかもしれませんね。

Matt Haig(2020). The Midnight Library. Canongate Books.
マット・ヘイグ 浅倉卓弥(訳)(2022). ミッドナイト・ライブラリー ハーパーコリンズ・ジャパン

 以上、和洋併読の面白さと学習効果の体感でした。

 あまりに収穫が多かったので、和洋併読については個別の記事にして詳細をまとめました。たくさんの例を挙げて細やかに解説しているので、よかったら読んでみてください。

「多読レコード6」まとめ

 祝3周年&530万語達成の「多読レコード6」。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 ひと言でまとめると、3年目にして大台の500万語を突破し、ときに燃え尽きながらもうまみ多き「和洋併読」でモチベーションを回復できた2023年でした。

 2024年も翻訳書を片手にイメージ豊かな多読を続けていきたいと思います。また、同じ作品の和洋併読を繰り返すというのにもトライしたいです。

 現在の体感だと、イメージの構築という観点ではノンフィクションより小説の方が和洋併読の効果は大きい気がします。なのでしばらくは小説パーリナイの多読になるでしょう。

 なお、『多読レコード』は半年に1本のペースでシリーズ化しています。データや気づきの「長期的な変化」が気になる人や、一緒に多読を続けていきたい人などのお役に立てたら幸いです。
 『多読レコード』シリーズ

 それでは、今回はこの辺で。
 That’s all for today.

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