漢検準1級に合格!このまま1級にも挑戦したい!でも何から始めればいいんだろう?
そもそも市販の参考書で対応できる?どんな勉強をすればいいの?
1級の合格証をもらって最強の漢字力をアピールしたい!
本記事では、このような疑問や要望をサポートします。
漢検1級は、言わずと知れた日本漢字能力検定の最上位級です。
その合格率は、リピーター(すでに合格済みの高得点ハンター)の存在がありながら10%前後という難関ぶり(公式のデータはこちら)。
とはいえ、市販の参考書やWebコンテンツをうまく活用して学習を重ねていけば合格は可能です。
この記事では、漢検1級で初合格に至るまでのロードマップや勉強法について、実体験をベースに詳しく解説していきます。
実際、私は令和元年の第1回検定にて初合格を果たしました。
ただ、それまでに5回の不合格を経験しています。明確な道しるべがなく、漫然と勉強していたことが不合格続きの大きな原因でした。
この記事を読めば、漢検1級に受かるために 「いつ」 「何を」 「どれくらい」 勉強すればいいのかが明確になります。
過去の私のように暗中模索に陥ることなく、効率的に学習を進めていけるはずです。
結論から述べると、下図が今回ご紹介する「漢検1級 初合格へのロードマップ」になります。
このロードマップに従ってトレーニングすれば、必ずや合格点を突破する実力がつくでしょう。
道のりは非常に険しいですが、準1級をクリアした猛者なら絶対に乗り切れます。己の漢字力を信じ、この記事を参考にその力をいっそう高めて合格を勝ち取ってください。
2024年追記:そろそろこの記事も古くなってきました。難化後の受験なので勉強法自体は信じていただいて大丈夫ですが、その他の参考として1級リピーター・あびさんの勉強法動画もオススメしておきます。使用教材や考え方が似ていて、なんなら文章よりわかりやすいかもしれません。
話を戻して、まずはロードマップの全体像を概観していきましょう。それから各段階の勉強法について詳しく説明していきます。
漢検1級「勉強法ロードマップ」概略
まずは大きな視点でロードマップを見ていきます。
左端の列が学習タスクで、濃い緑はメインの参考書、薄い緑はサブの学習分野です。
横軸は期間で、学習タスクと連動した「準備期→訓練期→鍛錬期」の3期間を設定してあります。
必要な参考書
続いて、必要な教材の基本情報を記載します。
書籍編
まずは参考書です。とくに重要な4冊をご紹介します。
1冊目は『漢検 漢字辞典』。全期間にわたって重宝する必携のパートナーです。
2冊目は『漢検 四字熟語辞典』。合格に不可欠な「四字熟語の強化学習」で大活躍します。
3冊目は『漢検1級 分野別 精選演習』。初めの一歩を踏み出すのに最適な分野別の問題集です。
最後は『本試験型 漢検1級 試験問題集』。成美堂出版による、本番の試験と同じ形式の問題集です。
「本試験型」は新星出版社からも出ていますが、成美堂の方だけでも基礎力のトレーニングには十分でしょう。
Web編
続いて、合格力を高めるのに欠かせないWebコンテンツを2つご紹介します。
漢検1級模擬試験倉庫
質、量ともに優れた高水準な教材(記事)がアップされているサイトです。総合力を合格レベルへ引っ張り上げてくれます。
漢字逞筆(ていひつ)
読み問題を強化するのに効果的なサイトです。かゆいところに手が届く問題群で、とくに音読み問題の得点力を底上げしてくれます。
以上、必要な教材「Web編」でした。
全体的な流れ
次はロードマップの大まかな流れを説明します。
冒頭だけで全体像を理解できた方は「学習期間と時間配分」に飛んでも問題ありません。
メイン教材で総合力アップ
まず、学習タスクには3つのメイン教材があります。
これらは総合力アップに重点を置いたもので、マップ上では濃い緑で示されています。継続期間は赤矢印です。
図にあるとおり、以下の3点がメイン教材です。
- 漢検1級 分野別 精選演習
本記事では「精選演習」と略称
基礎の基礎を習得する最初の教材 - 本試験型 漢検1級 試験問題集
「本試験型」 と略称
基礎訓練を積み重ねる教材 - 漢検1級模擬試験倉庫
「模擬試験倉庫」 と略称
応用力を鍛え上げる教材
サブ学習で特定分野の強化
メインの学習のほか、国字、四字熟語、当て字、音読みの4分野を強化するサブの学習も設定しています。
マップ上の薄い緑で示されている部分です(使用教材は後述)。継続期間は青矢印になります。
3つの学習期間と時間配分
最後に、横軸に示された3つの学習期間「準備期→訓練期→鍛錬期」についてです。
要点を絞ると以下のようなイメージになります。
- 準備期:精選演習で初めの一歩
(到達目安:100点前後) - 訓練期:本試験型で基礎力増強
(到達目安:130点前後) - 鍛錬期:模擬試験倉庫で合格点
(到達目安:160点以上)
言うまでもなく、1級の勉強には膨大な時間がかかります。
よほど自由な時間がないかぎり、勉強期間は半年以上は見積もっておくべきです。
3期間の学習時間の目安としては、以下の配分を参考にするとよいでしょう。
準備期:訓練期:鍛錬期=1:3:6
たとえば1年後の合格を目指すのであれば、次のような見通しになります。
準備期:1ヶ月ちょい
訓練期:3ヶ月半ほど
鍛錬期:7ヶ月ちょい
もちろん1日あたりの学習量や質は人それぞれなので、自己判断で調整が必要です。あくまで目安として「準備期1:訓練期3:鍛錬期6」の比率を意識していただけたらと思います。
以上、ロードマップの概略でした。
1級合格へ向けた各期間の勉強法
ここからは、それぞれの期間に実践すべき勉強について詳しく解説していきます。
準備期: 精選演習で基礎体力を!
準備期では、精選演習に取り組みながら国字をマスターし、1級の基礎体力を養っていきます。
準備期を終えると、本番レベルで100点前後は取れるようになりますよ。
精選演習の取り組み方
精選演習では、1級の基礎の基礎を習得することができます。
到達目標としては、8〜9割の正答率でOKです。
多少の未消化があっても訓練期以降の学習でほとんどカバーされるので、完璧を目指す必要はありません。
最初は知らない漢字が多くて大変ですが、回数をこなせば着実に身についていきます。辞典をそばに置きながら反復学習に励みましょう。
取り組む際のポイントとしては、以下の3点が挙げられます。
- 慣れるまでは分野別に繰り返す
- 慣れてきたら全分野一気に解く
- 間違いをチェックで目立たせる
最初から全分野にわたって一気に解こうとすると「一巡して戻ったらほとんど忘れてた…」という現象が顕著になり、定着率が一気に下がってしまいます。なので慣れるまでは分野ごとに反復するのがオススメです。
私は結果的に6周こなしましたが、以下のように4周分は分野別に反復していました。
音読みだけ4周 → 訓読みだけ4周
→ …………………
→ 文章題だけ4周
→ 全分野を一気に1周(5周目)
→ 全分野の総復習1周(6周目)
基本、1周目は意味調べをメインにするとよいです。辞典で調べた意味をテキストに書き込み、2周目以降をサクサク進められるようにしましょう。
また、そこそこ正答できるようになる3周目あたりからは間違えた問題にチェックをつけるのもポイントです(1周目からだとチェックだらけになって心が折れます)。
そして4周目以降、間違えるたびにチェックを重ねていけば「苦手な問題」が際立つので本番直前の復習に便利です。
なお、精選演習の学習は今後の成長を左右する重要なステップなので、実体験を交えた勉強法の詳細を個別の記事にまとめています。私自身の正答率データなども添えているので、お時間があればぜひご参照ください。
次は、特定分野を強化するサブ学習の話です。
国字を早々にマスター
準備期では、サブ学習として国字を完全習得してしまいましょう。
国字は書き問題で必ず2問は出題されます。
1問2点なので、4点をサクッと確保できる分野です。
覚える量は120字。
分野別の学習量としては一番少ないので、早めに片づけておくと安心ですよ。
ちなみに国字の一覧は精選演習の付録に記載されています。ただ、次の訓練期で使用する本試験型の付録の方が意味の説明もついていて便利です。
できるだけ早く本試験型を入手して国字マスターになりましょう。
訓練期: 本試験型で基礎訓練を!
ここからは訓練期の話に入ります。
訓練期では、本試験型で基礎訓練を重ねつつ、四字熟語の強化にも着手します。
訓練期を終えると、本番レベルで130点前後が射程圏内に入りますよ。
本試験型の取り組み方
本試験型を使う目的は、本番形式のアウトプットで基礎力を増強すること。
収録されている模試は17セットです。前段階の学習が効いてくるので、いきなり解き始めても問題ありません。最初は点数を気にせず、自分のペースで着々と進めてください。
到達目標としては、全模試で9割(180点)以上を目安にしましょう。
厳しい設定に見えますが、2周3周と進めていくとそこまでハードルは高くないと気づくはずです。
やることは「ひたすら繰り返す」に尽きます。
模試を「1つ解いては復習、1つ解いては復習…」を繰り返し、解ける問題を地道に増やしていきましょう。ここでの復習とは、解説を読んだり知らない言葉を調べたり、字形を確認したりといったイメージです。
以下、経験に基づくアドバイスを3つ残しておきます。
テンポよく進める
訓練期からは、「1模試やっては復習、やっては復習…」と、メインの学習が単調になります。さらに準備期より勉強量が増大するので、あまりに先が遠くに感じられて挫折しかねません。そうならないよう、本試験型はテンポよく進めることが大切です。
なので、まずは「1周目を解き切る」という小目標を最優先にしましょう。
たとえば「1周目だけは空欄も許容で、ざっと解答したら答え合わせ」と決めて1セットにかかる時間を削減したり、「その日に解いた模試はその日のうちに復習」と決めて1セット分の学習を1日で完結させたり、自分なりのルールを作るとよいです。
また、基本的に「個別のノート作り」はオススメしません。とくにキレイにまとめたくなるタイプの人は時間を浪費するリスクが高いです(かつての私もそうでした)。
間違えた漢字や意味のメモなどは解答用紙に殴り書きする程度に留め、何より回転率を優先させましょう。
9割オーバーまで繰り返すことを前提に、「模試1回分ですべてをマスターしようとせず、すぐ次へ」というスムーズな流れを作ることが大切です。
経験上、1回1回ざっくり進めていっても、準備期の積み上げがあるので3周ほどで大部分の定着を実感できると思います。さらに解答時間も30分ほどに激減します。そうなればこっちのもんです。
何はともあれ、テンポよく、まずは1周目を!
付録と仲良くなる
成美堂の本試験型には「チカラがつく資料」という付録があり、これをうまく利用すると訓練期の学習効率が格段にアップします。
内容は「国字」「常用漢字表外音訓」「四字熟語」の3項目。「国字」は準備期で習得済みですが、残り2つの付録もかなり有用です。
常用漢字の表外読みは推測が利きやすく、意外と手薄になる分野だといえます。なので「常用漢字表外音訓」は一読の価値大です。読むたびに発見があり、漢字好きならシンプルに楽しめます。
そして「四字熟語」は、パラパラ読む習慣をつけるだけで模試の点数にガンガン効いてきます。模試を解く段階で「初めまして」でも悪くないですが、早めに付録に目を通しておけば「どこかでお会いしましたよね」レベルの問題ばかりになり、負担が激減しますよ。
後にも述べますが、四字熟語はとくに力を入れて取り組むべき分野です。早い段階から手を着けておくと合格がグッと近づきます。
9割に到達したら
全ての模試で9割を超えたら、間違えた問題の答えを書籍本体に書き込んでしまうのがオススメです。
今後の復習項目としてハイライトしておきましょう。
私の場合、オレンジ色で書き込みを行い、赤シートで隠せるようにしていました。
また、この段階で精選演習に戻って「最終周で間違えた問題」を見直すのもよいです。きっと大きな成長を実感できます。
以上、訓練期のメインとなる本試験型の勉強法でした。
次は、特定分野を強化するサブ学習の話です。
四字熟語学習スタート
訓練期では、サブ学習として四字熟語に特化した勉強を始めることを強くオススメします。
四字熟語は配点が30点と高く、他の分野にも応用が利く最重要分野です。
そして『漢検 四字熟語辞典』内の「1級」マーク付きのものを押さえれば、26点を下回ることはまずありません。
精選演習や本試験型でカバーされているものを除くと約600語。ガンガン辞典を読み込んでインプットを進めていきましょう。
学習スタートの目安時期は「本試験型が3周目に入った頃」や「得点率が8割ほどで安定してきた頃」などがよいです。
模試の学習に慣れてきたタイミングであれば、とくに大きな負担もなく習慣化できます(辞典を読む習慣は次の鍛錬期に入ってもしばらく続けるのが理想です)。
ちなみに辞典レベルの四字熟語の「アウトプット」については、次の鍛錬期でカバーできます。
四字熟語対策の全体像については個別の記事でも解説しているので、適宜ご参照ください。
鍛錬期: 模擬試験倉庫で合格へ!
ここからは最終ステージ、鍛錬期です。
鍛錬期では、模擬試験倉庫で応用力を鍛えつつ、当て字や音読みも強化していきます。
鍛錬期を乗り切ると、合格ラインの160点以上を取れる漢字力が身につくでしょう。
模擬試験倉庫の取り組み方
模擬試験倉庫では、オーナー自作の高品質な模擬試験が無料で公開されています。さらに、模試だけではなく分野別の資料も豊富にまとめられています。
メインで取り組む教材は「模擬試験」で、勉強法は本試験型と同様です。ひたすら解いて復習を重ねていきましょう。
模擬試験倉庫の難易度は、本試験型が可愛く思えるほどの「本番同等〜やや難」レベルです。とはいえ、これまで身につけた実力と習慣があれば必ず乗り越えられます。
到達目標は35セット×180点以上。
ひたすら鍛錬です。
以下、私自身の鍛錬のなかで効果的だと感じた戦略を3点まとめます。
範囲を絞って解き殴る
さきほど「目標は35セット」と述べました。本試験型の倍の量でギョッとしたかもしれません。
実際のところ模擬試験倉庫には50近くの模試がありますが、私は34回分を解き殴りました。「解き殴る」と表現できるほど徹底的に繰り返すのがポイントです。
ちなみに私が使ったのは「模擬試験その11」からの34模試です。「その1」 〜 「その10」 の模試は平成28年度より前の試験形式だったので「その11」から始めました(違いは形式だけなので1からやっても質的な問題はありません)。
やり込むコツとしては、「11〜20を徹底的に反復 → 21〜30 → 31〜40 … 」という感じで、いくつかの区切りを設けてその範囲内を徹底するのがオススメです。
この方法だと、予定どおりに勉強が進まなかった場合でも「何となくの30模試」ではなく「極めた20模試」のようなクオリティーの高い武器を持って本番に臨むことができます。
私の例だと、20模試くらい解き殴った状態で本番を迎え、結果として151点の不合格に終わったことがありました。それでも「前よりは戦えた…戦えたぞ…」という実感が湧き、かえってモチベーションが上がったことを覚えています。
教材を自分色に染める
本試験型のときと同じで、ノート作りは推奨しません。
私のように「自作するからには丁寧にまとめたくなる」タイプの人は、作業的な部分に時間を浪費することになるのでとくに注意です。鍛錬期の学習量はすんごいので、今まで以上にノート作りはリスキーになります。
時短戦略としては、元ある教材を自分色に染めるのがベスト。
これまで同様、問題文の近くなどに調べた情報を書き込み、問題用紙を半オリジナル教材にしてしまいましょう。
2周目以降を解くときに書き込みが気になってしまう場合は、「メモ用」と「解く用」で分けて印刷するのも手です。
この自分色に染めた教材は、日常的な復習にはもちろん、後述する直前期の対策にも非常に有用でした。ぜひ一度試してみてください。
他のコンテンツも挟む
模試を解き殴る学習は、言うまでもなく同じ勉強スタイルの繰り返し(かつ長期戦)になります。鍛錬の最中、やる気が失われたり倦怠期が来たりすることも少なくないでしょう。
そんなときの対処法として、負荷が小さい別のコンテンツをつまみ食いするという手があります。
前にも述べましたが、模擬試験倉庫には模試以外のコンテンツも大量にあり、とても有益です。
私の例を挙げると、メインの模試を進めながら模擬試験倉庫の「大見出し語表からの問題」と「故事ことわざ問題」を断続的に解いていました。
「大見出し語表からの問題」は、以下の構成をとるプチ問題集です。全部で32セットあります。
- 書き取り:15問
- 語選択:5問
- 対義語・類義語:10問
一方「故事ことわざ問題」は15問 × 8セットです。
どちらも難易度が標準的で1回あたりの量も少なく、丁度いいリフレッシュになります。私は最終的に全セットに取り組みましたが、とくに負担を感じることはありませんでした。
メインの学習(=模試)を進めつつ負荷の小さいコンテンツを挟み、メリハリをつけて学習することが継続するうえでの1つのポイント。
以降で述べる「分野に特化したサブ学習」にも同様の役割があるといえます。
当て字の強化で脇を固める
鍛錬期では、サブの学習として当て字を強化することをオススメします。
配点は10点ですが、8点以上の得点をキープしやすい分野です。
もちろん総合力への貢献度を考えると訓練期からの四字熟語の強化を何より優先すべきです。
ただ、合格レベルに確実に届く分野を増やして万全な状態で本番に臨みたい方は、当て字を強化しておくと非常に安心できます。
ズバリ、8点以上を安定させるには模擬試験倉庫の「熟字訓・当て字」をマスターするのが近道です。
そこには、2194項目が13の記事に掲載されています。
量だけ見ると大変そうですが、これまでに習得したものや初歩的なものも多く、初見の当て字は1500語もないはずです。それぞれの項目をエクセルなどにコピーし、印刷してコツコツ覚えていくとよいでしょう。
「うわ、なんか大変そうだな…」と思った人は、以下の記事で当て字の勉強を楽にするテクニックをまとめているので、よければ合わせて読んでみてください。
漢字逞筆で音読み力を磨く
しっかり鍛錬を重ねていっても、範囲が広くて頭打ちになりがちなのが音読みです。
訓読みと違って推測も利きにくく、1問1点でありながらポロポロ落とすと結構な損失になります。
このような音読みの失点を最小化するのに役立つのが漢字逞筆(ていひつ)です。
Web上で問題を解いていくタイプで、「問題に答える→正誤&解説の表示→次の問題」という流れでスイスイ進んでいきます。タイピングに抵抗がないなら絶対に損はしません。
音読み問題は全部で4200問収録されており、その内訳は次のとおりです。
- 初学者必修:1588問
→ 頻出一般語 553 + 非一般語 1035 - 合格志望者向け:1453問
- 高得点志望者向け:1159問
→ 音読み満点志望 995 + マニア 164
鍛錬期ということで「初学者必修」は飛ばしても問題ないと思います。私は「合格志望者向け」以上の約2600問を何度も解きました。結果、本番の大問1の音読みは1ミスに留まりました。
なお、現在の漢字逞筆は私が使っていた頃よりパワーアップしており、多様なコンテンツが収録されているようです(他の分野別問題や模試など)。学習の進み具合や好みに応じて、それらを積極的に活用していくのもよいかもしれません。
ただ「あれもこれも」と手を出しすぎると、かえって非効率になるので要注意!
以上がロードマップの3期間で行うべき勉強法のすべてです。
上記のタスクをこなせば、1級合格レベルの漢字力がしっかりと身につきます。
倦まず弛まず、研鑽を積みましょう。
その他のアドバイス
最後に、ロードマップ外のアドバイスを3つ残しておきたいと思います。
過去問は3期間の実力試しに!
私の勉強法では過去問を取り入れていません。割高だったこともあり、本屋さんで眺める程度のことしかしなかったためです。
基本的には冒頭で列挙した教材だけで合格は十分可能です。ただ、本番レベルを直接体感したいという人は過去問を解いてみるのもいいと思います。
今回のロードマップでは「準備期、訓練期、鍛錬期」の3期間を設定しているので、使いどきとしてはこれら3期間の終盤に取り組むのがオススメです。
きっとメキメキ実力が伸びていることを実感できるでしょう。
2023年追記:2023年発売の『漢検1級 過去問題集』には6年分の過去問が収録されています(これまでは3年分でした)。コスパが大幅アップしているので、今ではかなり使いようですね。
本番直前期は復習の鬼になれ!
続いて、直前期についてのアドバイスです。
本番の1、2週間前からは新しいことを始めず、これまでの復習に専念することをオススメします。
私は34の模試を1日10模試のペースで総復習していました。精選演習の復習項目を見直したり、本試験型の書き込みを眺めたりもしました。
これまで頑張った分だけ、復習すべき項目は膨大になります。
万人にオススメできるかは微妙なところですが、私は直前期にはペンを持たず、書き問題さえも頭の中で漢字をイメージして正解と照合するだけに留めました。
このやり方だと1模試の総復習は15分前後で可能です。
確かな実力がついていると信じて、時間を節約しながら復習の鬼になりましょう。
本番では空欄を作るべからず!
最後の最後です。
本番では、絶対に空欄を作ってはいけません。
おそらく本番でひと通りの問題を解き終えるのは40分後くらいになると思います。
一巡目では空欄を残しておき、余った20分で頭をフル回転させて必ず完答しましょう。
これまでのトレーニングで磨かれた推測力や直感も実力のうちです。使わない手はありません。
また、意外と常用漢字が正解であることも多いです。簡単な漢字でもいいので、チンプンカンプンであっても絶対に何かしら解答しましょう。
以上、最後のアドバイス3点でした。
漢検1級の勉強法・まとめ
長くなりましたが、以上が私の漢検1級「初合格への勉強法ロードマップ」です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
総括として、例のロードマップを改めて示します。
とくに重要な点を挙げると、
・精選演習は分野別の反復から!
・本試験型はテンポよく進める!
・模擬試験倉庫は範囲を絞って!
・元ある教材を自分色に染める!
・サブ学習は四字熟語が最重要!
といった感じになります(取り上げた教材の詳細についてはページ上部の各種リンクをご活用ください)。
漢検1級に合格するには膨大な時間と労力が必要です。以前の私のように暗中模索で勉強していたら何年もかかってしまいます。
しかし、ここで取り上げたロードマップに沿って学習を進めていけば、時間や労力、そして検定料を無駄にすることなく1級合格への道が開けるはずです。
この記事を参考に、漢字大好きなあなたが晴れやかに初合格を達成することを願っています。
それでは。ファイト!!!
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